パーテックス素材で制作しましたウィンドアノラックです。
アノラックは諸説あるようですが、元々はアラスカなどの寒い地方で着られた防寒着を由来とするようで、現在はハーフジップ型のアウターウェアなどにも使われる名称となっています。
さっと使える気軽さも感じさせて、いい感じのクラシックさもあって、昔から好きな名前でした。耐風性のある軽量アノラック、様々な場面で使い勝手が良いと思います。
フィットはあえてかなりゆとりのあるものにしています。イメージは1990年代のアメリカンアウトドアウェアです。身頃はストレスなく着てもらえるゆったり目に、袖幅もスポーツに寄ったウィンドウェアのようには細くせず、すこしゆとりのあるシルエットとしています。袖の丈も少し長めでブラウジングで雰囲気を作ります。
ハーフジップというデザインは、スポーティさとレトロさを合わせた雰囲気で、スポーティさがありながらカジュアルさも醸しだします。
そんなレトロさもあるウインドアノラックを現在の高機能素材で製品化いたしました。
素材は、風のマネジメント、強度、軽量性、速乾性を高いバランスで兼ね備える非常に機能性の高いウィンドシェル素材です。
ー機能
> 防風性
> 透湿性
> 撥水性
> 速乾性
> 軽量
> パッカブル
> ストレッチ性
―デザインポイント
ハーフジップデザインは、フルジップに比べて着脱が面倒というある種の不便さはあると思いますが、良い点もいくつもあります。
まず単純にシンプルなかっこよさがあると思います。また、お腹周りがすっきりとしており、ザックの形状によってはハーネスとの干渉も軽減すると思います。更には下部にジッパーがないことで耐風性も向上します。
使われているパーテックス素材は風のマネジメントに優れ、耐風性がありながら内側の湿気は外側に放出します、つまりずっと着たままでのアクティビティも想定しており、その意味で少ない着脱回数が期待できます。その特性とハーフジップデザインというのは好相性だと思っています。
ほとんどのウィンドシェルは身体にフィットするように作られていますが、今回のTANNUKIのアノラックは、90年代のルーズなシルエットをベースに、ドロップショルダーを採用し、かなりゆとりのあるフィットで作られています。由来はクラシックなアウトドアデザイン、それを現在のトレンドと重ね合わせることで、ランニングでも、アウトドアでも、またカジュアルなシーンにもマッチするデザインとなっています。
裾はドローコード仕様となっていまして、絞ることでバルーンタイプのシルエットに調整することが出来ます。
長めのジッパーはベンチレーション効果も発揮します。
右側のサイドポケットにはセキュリティ用途としても使えるジッパーを配置、そのジッパーを使ってパッカブル仕様となっています。左側のサイドポケットは開けやすいスナップボタン仕様となっています。
―素材
メイン素材にはパーテックスイクリブリアムを採用しています。パーテックス素材は現在のウィンドシェル素材の中では、そのバランスの良さにおいて最高の素材と思っています。
高密度で織られたナイロン素材で、非常に軽く、軽さの割に強い素材です。また速乾性の際立った高さも特徴になります。
ランニング用途のウインドアイテムとして特筆すべきは風との関係性です。まず防風性について、完全防風というわけではありませんが、しっかりと風を防ぎます。そして、高い防風性を持ちながら、通気性に由来する透湿性を発揮するところがこの素材の大きな特徴になります。動きながら着続けられるウェアの所以はここから来ています。
またパーテックスの中でもイクリブリアムというカテゴリーの素材になりますが、これは2重織の意味になります。表と裏に異なる糸が現れる織り方になり、肌面に凹凸が出現します。肌に対する接地面積が少なくなることで、より強いドライ感が生まれます。
素材の内側には太目の糸、外側には極細糸が使われており、水分はフィラメントの大きい方から小さい方へ移動します。いわゆる毛細管現象によりウェア内の汗を素早く吸収し表面で発散させます。その際に気化熱が奪われるため、内部の温度が下がり、結果過剰な発汗を抑制する効果を生みます。
また織りによる工夫によってナイロン100%の素材でありながら若干のストレッチ性を持ちます。ここも動きやすさに通じる部分になります。
―組成
ナイロン100%
―サイズ実寸
着丈/胸囲/裄丈/裾囲
S/ 63/ 108/ 85/ 106
M/ 65/ 112/ 88/ 110
L/ 67/ 116/ 90/ 114